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どうもアゲハです。
私は市役所に勤めており、市役所にはたくさんの部署があるのですが、みんなが口を揃えて行きたくないというハズレの部署があります。
それは生活保護の担当部署です。
何年か前に吉岡里帆さんというきれいな女優さんが主演で、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」というドラマが放送され、生活保護の担当(ケースワーカー)という仕事が有名になりましたが、ドラマの内容はまさにその部署の仕事について描かれていました。
私はドラマ自体は見ておらず、原作の単行本しか読んだことがないのですが、生活保護の担当として日々奮闘する新人を描いてるようです。
担当する生活保護の受給者が頑張って自立を目指したり、受給者のいろんな事情を人間ドラマとして描いているようです。
このドラマの原作者さんが元々生活保護の担当をしていたようで、その経験を描かれたとてもリアルな話だとは思いましたが、きれいな女優さんが主演だったり、少しギャグを交えたりと、お茶の間で流すための努力とコンプライアンスの関係で結局、福祉職の現場の大変さが伝えきれていないように感じました。
実際の生活保護担当(ケースワーカー)は毎日信じられないような人と関わらないといけないですし、「何でこんな仕事をしないといけないの?」というような泥仕事ばかりさせられます。
受給者は担当を召使いのように思っていて、いつも困らせるような行動ばかり取り、また受給者の親族や家主などの関係者も横柄な態度で自分の言いたいことばかり言ってくるので、本当に最悪の仕事です。
今回はそんな生活保護担当の仕事について、市役所勤続13年のほとんどを生活保護の担当部署で過ごしている私アゲハが、詳しく紹介していきたいと思います。
私が話す経験談によって、これから公務員、特に市役所を目指す方の進路決定の判断材料にしていただけたらと思います。
市役所公務員の福祉職【ケースワーカー】とそのなり方
まず、ケースワーカーとは何なのっていう話ですが、
ケースワーカーとは、「精神的・肉体的・社会的な面で何らかの欠陥をもつ人の相談相手となって、解決指導に当たる人」だそうです。
市役所のケースワーカーになるには社会福祉主事という資格が必要になり、社会福祉主事の資格は数日間研修を受けたら取ることができます。
大学を卒業している場合、該当する一般教養の単位を持っていたら、自動的に社会福祉主事の資格をゲットできるみたいです。
しかし、実態は無資格者にケースワーカーをさせている職場があり、社会福祉主事の資格の有無なんてしっかりと確認もせず、あるとき突然生活保護担当の部署に配属し、「お前は今日からケースワーカーだ!」と言ってくる自治体もあります。
かくいう私も大学を卒業していますが、社会福祉主事に必要な単位を取っているかは不明の状態で、いきなり人事異動でケースワーカーにさせられているため、無資格ケースワーカーの可能性があります。
このように本来は福祉職であるケースワーカーになるためには資格が必要なのですが、市役所も人手不足で、またケースワーカーをやりたがる人が少ないので、簡単に配属される可能性があります。
逆に言えば、ケースワーカーになりたいのであれば、希望すれば簡単に配属してもらえることでしょう。
なんせ誰もやりたがらないハズレ仕事だからです。
福祉職【ケースワーカー】の業務内容
生活保護費の計算
生活保護といえば、保護費の計算がメインで、受給者一人一人の毎月の保護費を計算します。
生活費や家賃代、病院へ行く交通費、高齢者のおむつ代などの計算は毎月の恒例行事になっています。
そして、必要に応じて引っ越し代や家の補修費用、家の契約更新料を計算したりすることもあります。
自分のお金の計算は楽しいですが、人のお金の計算って本当に楽しくないです。
そして、作業量が多いので、しばらく計算を続けているとお金っていう感じもしなくなってきて、単なる数字にしか見えなくなってきます。
クレーム対応
生活保護費の計算も膨大な作業ですが、クレーム対応の方が本当にキリがないです。
生活保護受給に関係するあらゆる話をあらゆる人からされて本当に訳が分からなくなります。
私たちは担当する受給者が100人を超えていてもはや顔を覚えるのも苦労するレベルですが、クレームを入れる方からしたら相手はこっち一人になるので、問答無用で話をしてきます。
誰の話か分からない状態で一方的に話を始められ、散々めちゃくちゃな要求をしてきた後にどうにかしろと命令されて話が終わることばかりです。
それは電話であったり窓口であったり、平気で2、3時間拘束してきます。
「家賃を払ってないからどうにかしろ!」と騒ぐ家主、「薬を飲まないから何とかしろ!」と騒ぐヘルパー、「夜にうるさく騒ぐから何とかしろ!」と騒ぐ近所の人、その日その日で相談相手も内容も異なり、どうしようもない話ばかり毎日対応しないといけません。
会ったこともない人間から毎日怒鳴られたり、常識的に考えたらわかるようなことを質問されたりし続けていると、生活保護を受給しているといないとか関係なく全ての人に対して人間不信に陥ってしまいます。
その他
既に受けている人の家を訪問、行き倒れていた人の葬式代の手続きなど、厄介なものばかりです。
次々と生活保護の申請があり、受給世帯の増加に比例して、仕事も増える一方です。
福祉職【ケースワーカー】のデメリットとメリット
普段は経験できないようなアブノーマルな経験ができることが唯一メリットといえばメリットですが、実際のところ福祉職【ケースワーカー】はデメリットしかありません。
自ら福祉職を目指し、献身的で奉仕の精神を持ち合わせている人であれば、ケースワーカーになることがメリットになるかもしれません。
しかし、私のように福祉の資格を持たない人間、事務職員としてただ事務処理をしていればよいと思って公務員になった人間にとって、福祉職【ケースワーカー】という仕事は本当に苦痛な仕事です。
世間からケースワーカーと勝手に呼ばれ、何故か福祉のプロのように見られ、100人以上の人間の人生をどうにかする力、義務があると思われ、何か事件が起きれば、全ての責任をなすりつけられます。
糞尿まみれの家、ゴミ屋敷の掃除を手伝わされたり、身元引受人のサインをさせられたり、住む家や施設を探させられたりした挙句、少しでも不都合なことがあったり、問題が起きればいろいろな人に恨まれ、敵意を向けられます。
感謝されることなんてほとんどありません。
公務員で市役所を目指すということは、福祉職【ケースワーカー】になる可能性がある
正直まだまだ福祉職【ケースワーカー】がいかに辛い仕事なのかということについて、伝えたいことはあるのですが、これ以上紹介すると、とんでもないことになってしまうので割愛させていただきます。
今回紹介できない分については、今後また小出しにしていきますので、その時は是非ご覧にいただけたらと思います。
これまで私の記事を読んでいただいた方の中には、もしかしたら「話を盛りすぎだろ。」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、はっきり言わせていただきたいのですが、これが福祉職【ケースワーカー】の現場の実態であり、現在も私は苦痛を味わいながらその現場で働いています。
もう一度言いますが、生活保護担当の部署、福祉職【ケースワーカー】の仕事は本当にハズレ の業務内容です。
人によってはメリットはあるかもしれませんが、私からしたらこの仕事をすることによるメリットは一切ありません。
そして、業務内容からしても給料が全く割に合っていないと感じています。
これから市役所を目指す方については、福祉職【ケースワーカー】を志望している方もたくさんいらっしゃることでしょう。
本当に覚悟を決め、自ら福祉職【ケースワーカー】をやりたいのであれば、それは素晴らしいことだと思います。
しかし、もしそうでなく何となく公務員になりたいとか、市役所で働きたいと考えているのであれば、今一度考え直していただきたいと思います。
公務員で市役所に入ったら、生活保護の担当、福祉職【ケースワーカー】にさせられるかもしれませんよ。
「市役所だったら仕事も単純で楽して給料がもらえる。」
こんな幻想を抱いて市役所に入ったことを後悔している私アゲハの意見を是非参考にして、これからの進路を決めていただけたらなとおもいます。